工種河川工事
発注者名古屋市
場所名古屋市瑞穂区
工期2023年4月 〜 2024年3月
表彰名古屋市優良工事表彰(2023年)

街の未来を守る、見えない土台を築く仕事

この工事の目的は、大きく2つありました。

1つは、老朽化が進んでいた護岸を、地震に耐えられるよう頑丈につくり直すこと。もう1つは、護岸を支える堤防の液状化リスクに備えることです。

堤防が大規模地震で液状化し、崩壊してしまえば、新しい護岸だけでは街を守れません。周辺の家屋に浸水や沈下の被害が及ぶ可能性もあります。

そのため、この工事は古くなった護岸を新しくするだけでなく、その足元にある地盤そのものを強固にする仕事でした。

三重苦を乗り越えた現場

現場には、3つの大きな困難がありました。

  • 採用経験の少ない浸透固化処理工法
  • 川の増水期までに護岸を完成させる厳しい工期
  • 重機を据えるスペースも限られる狭い作業ヤード

工期の制約に対しては、上司の高柳さんが工場製作のプレキャスト製品に工法変更する案を出し、工程を約1か月短縮しました。

初めての工法については、ライト工業と連携しながら実践で学び、自ら文献も調べ、不明点を積極的に確認しました。

狭いヤードについては、作業盤を掘り下げつつ土留矢板で法面の崩壊を防ぎ、仮設の作業床を造成して空間を確保しました。

地域との対話

近隣住民とのコミュニケーションも大切な仕事でした。

騒音や振動の影響が大きい住宅には、工事開始の2週間前から何度も足を運び、世間話も交えながら信頼関係を築きました。その結果、工事期間を通して一件も苦情なく終えることができました。

地域との対話も、工事を円滑に進め、品質を高めるための技術の一部です。

表彰につながった品質

表彰された理由として、コンクリートの美しさに代表される品質の高さが挙げられます。

ひび割れを防ぐため、いつも以上に丁寧な養生を徹底しました。上司の高柳さんの「日が昇りきる前にもう一度水を撒いた方がいい」という助言も実践し、細部にこだわった結果、ひび割れのない構造物が完成しました。

技術者の成長

難しい現場だったからこそ、一つひとつの作業を疎かにせず、丁寧に向き合う。その積み重ねがよい結果を生む——担当した技術者は、この現場を経てそう学んだと語ります。

知らないことがあるからこそ、調べ、学び、技術者として成長できる。山崎川の工事は、その姿勢が品質と表彰に結びついた現場でした。