| 工種 | 河川工事 |
|---|---|
| 発注者 | 名古屋市 |
| 場所 | 名古屋市中区 |
| 工期 | 2023年3月 〜 2024年7月 |
街の100年を未来へつなぐ
この工事は、約100年前につくられた護岸を現代の技術で更新し、未来の街の安全を確保する役割を担っていました。
現場は民家や企業が立ち並ぶ市街地です。従来の護岸では、大雨による川の増水時に浸水などの影響が及ぶ懸念がありました。
今回の改修では、護岸を約2メートル高くすることで治水能力を向上させ、地域の人々が安心して暮らせる基盤を再構築しました。
予期せぬ地盤の変化
築100年の歴史を持つ護岸の改修では、予測できない事態も起こります。
特に配慮が必要だったのは、隣接する歴史ある建造物への影響でした。着手前には家屋調査も実施していましたが、鋼管杭の打設を終えた段階で、隣接建造物にわずかな傾きが確認されました。
さらに、締切工で川の水を抜くと、地盤のバランスが変化し、影響が大きくなる可能性もありました。
関係者との対話と工法変更
所有者、発注者、設計者と連携し、対策協議を開始しました。
まず建造物の内側から柱で支え、次に仮桟橋からも補強を追加。最終的には、新しい護岸を築造しながら外側からも支える三段構えの対策を講じました。
また、測量の結果、建造物が設計上の境界線を越えて川側に張り出していることもわかりました。これにより、当初のブロック積み護岸では施工幅が確保できなかったため、急遽、重力式コンクリート擁壁へ工法を変更しました。
水中施工の精度
鋼管杭の施工ではリアクションベース工法を用いました。
杭の頭が水中に収まるため、打設後の完成形は水を抜くまで直接見ることができません。水上の機械でのわずかなズレが、杭の先端では大きな位置ズレにつながります。
そのため、一本一本の杭を打設するごとに、機械の上でミリ単位の測量を繰り返し、精度を追求しました。
チームで解決する文化
この工事は、「一人で抱え込まず、チームで解決する」文化を伝える事例です。
予期せぬ事態に直面したとき、上司、発注者、設計者、協力会社に相談し、対話を重ねることで解決策を見出しました。困難な問題ほど、多くの人の知恵と経験を結集する。それが東海建設の現場の強さです。